シャングリラの鳥

もしも恋に墜ちてしまったら…楽園追放性を謳歌する楽園シャングリラに、試情夫として雇われたノンケのアポロ。
教育係であるフィーの専属を離れるが、他の男娼達の相手をすることに抵抗感を覚えてしまう。
フィーもまた、アポロに対して独占欲めいた気持ちが募っていく。
「俺の相手だけしてろよ」そうして、犯してしまった試情夫のルールは──。
「それでもお前は客の元に行くのか?」「じゃあ、アンタが俺を抱いてくれるの?」ルールは、イかせないこと、挿入しないこと、そして、絶対に恋に堕ちないこと──ノンケ試情夫×男娼のパラダイス・ロマン

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コメント

  1. user より:
    シャングリラの鳥III (Canna Comics)

    リゾート地にある楽園のようなゲイ専用高級男娼館「シャングリラ」で出会った男たちのお話。
    待ちに待った3巻。
    待たされただけあってむちゃくちゃ分厚くて感無量だった。
    アポロとフィーのもどかしくもエロティックな関係がますます切なさを増して目が離せない。

    近ごろ氾濫するエロ本まがいのBL漫画と違い、心の機微を丁寧に描いていてドラマとしての質も高い作品だ。
    背景にしっかり描写された熱帯植物や夕暮れの空が、2人の心の揺れや、若い心が自然と感じるであろう水々しい希望の感じまで、海の匂いと共に、こちらに伝えてくれる。
    本来BLとはこれくらい繊細なものだったのではなかろうか。

    あと、非常に充実した福利厚生のあるセックスワーク現場が舞台のため、セックスワークについてもあれこれ考えさせられる。
    セックスワーク・イズ・ワークが問題なのは、現実が「絶対に」こうはならないからだ。

    そもそも、たとえ本作のように、セックスワーカーたちが大切にされ、ケア担当者がつけられたとしても、本来ならばもっともプライベートであるべき行為を強制されるという仕事の過酷さに違いはない。

    フィーが客の老人とベッドを共にしているコマには冷や水をかけられたような気がしたし、アポロとの関係が深まれば当然仕事自体が問題になってくる。
    完璧な福利厚生付きのセックスワークが本当に理想郷たりえるのかという、その辺りの難しさもただよってくる3巻だった。

    とは言え、相変わらず、読んでいるだけでリゾート気分にひたれる漫画だった。
    漫画本はもっぱら電子派だが、このシリーズだけは絶対に紙の本を買う。

  2. user より:
    シャングリラの鳥III (Canna Comics)

    今までの自分が取り繕えなくなって、壊れて、まったく違う形に生まれ変わる過程を次でじっくり堪能したい